雲に鳴く。

趣味の小説書き、雲鳴遊乃実のブログです。個人サークル『鳴草庵』

2018-01-01から1年間の記事一覧

ブーン系振り返り、そして今後の活動について

(ほぼ)自作品まとめサイト「生首を読んでみろ」開始 約1年前の2018年1月1日、自作のブーン系小説まとめサイト「生首を読んでみろ」を始めました。 生首を読んでみろ 1月中に大まかな形を整えて、その後は更新できるときにちまちま作品を載せていました。…

四半世紀の言葉足らず

『時をかける俺以外』を最初にブーン系小説の形で発表したとき、主人公の友人は自殺をした。その後、カクヨムで投稿する際には事故という扱いにした。どちらが上というわけではないけれど、深い理由もないままに言葉だけで、自殺を安易に扱うことがつらくな…

【感想】さよなら、ニルヴァーナ(窪美澄)

導入、概要 そういえば平成が終わるんだったなと、この小説を読み始めてまず思った。 阪神淡路大震災と神戸連続児童殺傷事件。後に平成が歴史でまとめられるとしたら必ず挙げられるだろうこの二つの事件のうち、特に後者を強く意識して書かれた小説だった。 …

【アニメ感想】SSSS.GRIDMAN

導入、現代について 『SSSS.GRIDMAN』 記憶を失った少年が、自分だけに見えるヒーローの呼び声に促され、街を守るために怪獣を戦う物語。 この作品が特撮の作品『グリッドマン』を元にしていることは、意識して調べようとしなくても、Twitterを眺めていれば…

【感想文】月の満ち欠け(佐藤正午)

導入 自分の知らない他人の子どもが、自分を知っていると語る。 目の当たりにした現象を噛み砕くこともできないまま、壮年の小山内は、るりと名乗る少女の物語に耳を傾ける。 ということで、生まれ変わり、前世の記憶をめぐる物語です。 いつだったか冒頭部…

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いきなりなんですがAVに出て来る女の子にだんだん年下が増えてくるのって忍び寄る恐怖って感じしませんか? しますよね? どうしてこんな書き出しなのかっていうと自分がまたひとつ歳を取ったからで、だからといって畏まったことを書いても虚しいだけだし…

【感想】雨街で残響(転枝)

経緯 この本を選んだことに、深い理由はありませんでした。 このように書き始めると、なんだか嫌な人みたいだから、もうちょっと書いてみる。 たとえば好きな作者だからと言っても、一番最初に作品を手に取ったときにはもちろん、好きになれるかどうかはわか…

第27回文学フリマ東京、戦利品の読了報告

先日開催された第27回文学フリマ東京の戦利品を読み終えたので、記念に記事を書いておきます。 戦利品リスト 作品名と作者名(敬称略)とサークル名のだいたいのまとめです。忘れちゃうともったいないので列挙します。小説には軽いコメントをつけてありま…

【感想】煤煙(ひざのうらはやお)

第二十七回文学フリマ、会場で友人と会い、どんな本を購入したかという話題になった。 真っ先に手に取ったのがこの煤煙だった。この時点ではまだ読んではおらず、手を伸ばした先にあったにすぎない。 「浦安を舞台にしたスチームパンクらしいよ」 友人は笑っ…

どんな記事が読まれているのか

去年の初めに、google analyticsをこのブログに導入していたようです。 何故推定なのかというと、導入したことそのものを忘れたからです。 はてなブログにもアクセス解析機能はある。それにより人気の高い記事を調べることは可能だけど、具体的な人数までは…

【感想文】イリエの情景~被災地さんぽめぐり~ 3

第1巻を読んでから、イベントの度に続巻を購入し、積ん読しておいた。それをようやく読み終えたので、ここに報告する次第です。 シリーズを通して「被災地青春ロードムービー」と伺っており、第1巻はロードムービー、第2巻が被災地、そしてこの第3巻が青春に…

THE・雑記

最近は書評ばかり書いていたので、たまには別のことを書いてみたい。近況報告である。 詳細は省くが、先月の頭に引っ越しをした。 突然のことだったが、どうにか荷物をまとめて新居に移し、会社の方での手続きなどもこなしてバタバタしているうちに月が変わ…

【感想】新世界より(貴志祐介)

例によって積ん読消化。 「お、『新世界より』買ってたんだ~、読も~」 と上巻を手に取ったのが昨日の朝だった。 出かけている途中で中巻、下巻を購入し、読み終えたときには今日の日が暮れていた。 買った経緯については憶えていない。 何か長めの小説を読…

【感想】GOTH(乙一)

積ん読の消化をした。『GOTH』だ。 読み終えたこの本は夏頃にBOOKOFFで買ったものだけど、本当は高校生の頃にも一度手に取っていた。そのときは読み切れなかった。まだ読書に慣れていない頃でもあったし、読み進める体力がなかったんだと思う。 度々書いてい…

【感想】新説魔法少女

故あって10月の頭に引っ越しをした。 2週間ほどネット環境がない状況だったので、パソコンを起動させて掃除をしたり、ダウンロードしてそれっきりだったフリーゲームを漁ったりしていた。 そのうち、もっとも真面目に取り組んだのが、『新説魔法少女』だ…

【感想】盤上の敵(北村薫)

北村薫作品の中でもとりわけ異質な作品がある。 そんな噂を聞いたのはいくらか前のことだった。 日常の謎で、人間の悲しさや優しさを、読みやすく染みいるように語ってくれる。 僕が持っている北村作品のイメージはそのようなものだったので、異質というから…

【感想】オクトパストラベラー【裏ボス前・ネタバレあり】

まず8人の登場人物からひとり、「あなた」を選ぶ。8人のそれぞれに旅をする理由があり、目的地も異なっている。ストーリーは独立している。ひとりひとり攻略しても、気ままに旅をしても構わない。 現実的な話をすれば、戦闘を効率的に進めるためには8人全員…

【感想】労働者のための漫画の描き方教室

「漫画を描いて苦しい自分を変えるんだ」 釣られました。良いタイトルだし、良い表紙だなと思います。 忙殺されたり、なんとなく意欲がわかない毎日を送る中、人生を豊かにするための手段として身につけたい人は少なくない。 ましてSNSが発達した今、漫画…

第27回文学フリマ東京に参加しません。

2018年11月25日(日)に行われる第27回文学フリマ東京に参加しないという決定をした。 肩の荷が下りた心地がした。 最近、自分の作品を全て読み返した。 自分の作品を宣伝する上で、ジャンルわけでもしてみるか、と思い立って始めたものだ。 ブログにリンク…

【感想】狭い世界のアイデンティティー

何の気なしに見始めた『ハイスコアガール』のアニメから、作者の押切蓮介に興味を抱き、月刊モーニング・ツーで連載中の『狭い世界のアイデンティティー』を購入した。 本当は学生の頃に『ミスミソウ』を読んだので初遭遇ではないものの、僕の頭の中では何故…

【感想】カメラを止めるな!【ネタバレあり】

ネタバレされる前に観るべきだし、できれば何も情報を仕入れない方が良い。 とりあえず人に感想を聞かれたらそう答えようと決めている。 何しろ僕も最初にそうしていたからだ。 自分でやっていたのだからわかる。 人はこう言われると絶対粗探しを始める。 で…

長野旅行

二泊三日で長野を旅行してきたので、そのことをここに書き留める。 時折話していることだが、社会人になってから、毎年夏に県外に旅行をしている。 行くたびに記事にしていたのをいつからかやらなくなった。そしてまたやりたくなったから書いてみる。 長野を…

奇談収集家ミスター六軒について

21世紀が始まったばかりの頃、実家にパソコンがやって来た。どういう経緯だったのかはわからないが、これから必要になるものだからと、両親のどちらかが工面してくれたのだと思われる。僕は小学生の半ばで、将来のことなど微塵も考えられず、パソコンはゲー…

【感想文】イリエの情景~被災地さんぽめぐり~ 1

社会人になってから、年に一度は県外、なるべく関東を離れるようにしている。いつもひとりでの旅だ。 一年目は名古屋に行き、二年目は金沢に行き、三年目は京都に行った。一年目、二年目は写真を撮って日記記事を公開するなどマメなことをしたものだが、三年…

第7回テキレボ参加私的レポ

極めて個人的なレポートですし、まとまりもなくてすいませんが、テキレボに行ってきたことに関するあれやこれやを書いていきます。

【感想】貘の檻(道尾秀介)

大槇辰男は、離婚した妻の元に渡った息子と面会していた。その帰り、駅のホームで女性の自殺を目の当たりにする。彼女の名前は曾木美禰子。かつて、大槇の父が殺したと見做されていた女性だった。 大槇は曾木の死の真相を確かめるべく、水引きの伝説の残るか…

第7回Text-Revolutions(テキレボ)に参加いたします

こんにちは、雲鳴遊乃実です。 標記の通り、第7回テキレボに参加いたしますので、その告知です。 以下、詳細。 第7回Text-Revolutions詳細 日程:2018/07/16(月・祝) 11:00~16:00 ブース:G-18 場所:都立産業貿易センター 台東館4F全面 【アクセス】 …

自作品リンク集

一般小説 ブーン系小説

構造分析『火竜の僕は勇者の君と一度も言葉を交わさない』

先月カクヨムにて『火竜の僕は勇者の君と一度も言葉を交わさない』という短編作品を公開しました。 kakuyomu.jp 当作品は、6月10日現在、850PVをいただいており、自作品では一番人気のある作品となっています。 PV数の伸びは投稿の5日後くらいから顕…

とある友人についての思い出話

大したお話ではない。諸々の事情が考えられるので、ある程度ぼかしながら、話を進めていく。 僕が高校入試に臨んでいたとき、学区制というものが廃止になった。 もしかしたら通じない場合もあるかもしれないので、説明をしておくと、学区とは居住地によって…