雲に鳴く。

趣味の小説書き、雲鳴遊乃実のブログです。個人サークル『鳴草庵』

2014-12-01から1ヶ月間の記事一覧

『冷たい校舎の時は止まる』(辻村深月)

0. 「この本はきっと自分に合っている」と気づいたのは、読み始めてからまだ10分も経っていないときだった。駐車場に停めた車の中で時間待ちをしていて、手元に持ってきていたこの本を読んだのである。 読めたのは最初の30ページほどまでだ。冒頭にき…

今年読んだ本をざっくりまとめる

読書管理サービスのブクログからコピペしています。 ちなみにこのサービス自体は九月から登録しています。 並び順については登録順を基準に、なるべく作者で合わせています。 【漫画】計 22冊(あくまで今年買った本だけで数えているし、登録し忘れている…

貴志祐介『硝子のハンマー』(角川文庫)

とても本格的なミステリーだ。これほど真っ向から密室殺人を解きにかかった本は久しぶりに読んだ気がする。 本格派ミステリーというのはシャーロックホームズの時代から続く、謎を解くことを主題とした物語のことだ。誰が、どうして、どうやっての三つを主に…

浅田次郎『蒼穹の昴〈下巻〉』(講談社) 備忘録

清国末期を舞台としたスペクタクルロマン。前回と同じように、付箋をはった個所を取り上げていく。 p87 「全部のことね。ずうっと、ずうっと」 王逸は頷いて、まさしく宇宙の一点に立ち上がった少女の身体を見上げた。小梅はまる一晩、「宇宙」の文字を書き…