雲に鳴く。

趣味の小説書き、雲鳴遊乃実のブログです。個人サークル『鳴草庵』

2015-06-01から1ヶ月間の記事一覧

真面目に遊ぶ――『ワールドトリガー(11)』(葦原大介)

遊べよ遊真 楽しいことはまだまだたくさんある (ワールドトリガー11巻 P127) 林藤支部長のこのセリフがとても良かった。11巻で一番好きなシーンだ。あまりにも良いものだから、その理由を含めた感想文を簡単にでもいいからしたためたい。 林藤がこのアドバ…

読んだら是非とも感想を――『サラバ!』(西加奈子)

物語に時代を設定する意味は何か。 『サラバ!』では物語の書かれた理由が作中で言及されている。だが、僕が言いたいのはメタの話だ。どうして著者は、物語の時代をある時期からある時期までと具体的に定めたのか。ひとつあげるとすれば、時代観が読み手に与…

『センスをみがく文章上達事典―魅力ある文章を書く59のヒント』(中村明)

センスをみがく文章上達事典―魅力ある文章を書く59のヒント 作者: 中村明 出版社/メーカー: 東京堂出版 発売日: 2005/09 メディア: 単行本 購入: 2人 クリック: 4回 この商品を含むブログ (2件) を見る 出張ついでに立ち寄った浦和の紀伊国屋書店に文章術コ…

書き方考

はじめに たとえば物語の冒頭部で、喫茶店で知り合いの女の子と出会う場面を書くとしよう。 ごく簡単に展開を書くとすれば 1.店に入る 2.彼女に近寄る 3.あいさつを交わして座る となる。 これに僕はさんざん悩む。 書き手でないと意味が分からないだ…

6月13日の夢日記

大通りの傍にある四角い講堂の中で大会が開かれていた。ビブリオバトルのような競技であり、二人の代表者とその取り巻きが集まっていた。 人はいたが、それ以上に部屋が広かったので、ひどく寂しい光景のように思えた。建物は綺麗だが、よく見れば装飾がどこ…

笑いについて

不快だからやめろという論法はその結論に主観が混じっている時点で論理として不適切であり、そればかりか相手を貶す意味合いも含んでいるのだから聞かされる側もつい論理をかなぐり捨ててしまう。論じているフリをして論じさせなくするツールであり、平和な…

6月10日頃の日記

松田優作マガジンを衝動買いした。家に帰ってDVDを見ようとしたら再生されず、windows8以降はDVDのコーデックに対応していないとかそんなものを知った。フリーソフトを散々漁り、シンプルなMedia player classic を入れた。慌てているうちにGOMだと…

中華まんの話

こしあんとつぶあんならばこしあんの方が好きだった。 味の問題ではない。粒が残った状態であることがどうしても好きになれなかったのだ。 どんなものでも塊があるのならばできる限り漉してしまいたかった。飲み物に浮かんだ氷やら、雨上りのグラウンドに散…

まどろみに飲み込まれながら書き記す陳腐についてのささやかな呟き

事柄を逐一綴る文章が悍ましく感じられる。必要であると思って書いたはずなのだが読み返してみると必要ではない。必要であるにしてもそんなものを書くのはどうだろう。描いた傍から陳腐になって瓦解する。 事柄を説明することは多分に自己満足だ。説明したと…

気づかないうちに広まっていた断絶について――『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ』(辻村深月)

疑問に思うのは、いつでも選択する時期を過ぎてからだ。そのときは、それが唯一無二の答えであると信じて疑うことができない。 『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ』(辻村深月)は地方で暮らす女性に焦点を当てている。 母を殺した友人の行方を追うところから始まる…

きれいな文章についての本を衝動買いした。

日経ホームマガジン 美しい日本語と正しい敬語が身に付く本 新装版 作者: 日経おとなのOFF 出版社/メーカー: 日経BP社 発売日: 2015/04/16 メディア: ムック この商品を含むブログ (1件) を見る 文章の練習になるかなと思って購入した。和語の話ももちろんあ…

6月2日頃の日記

久しぶりに新聞をじっくり読んだ。どうしてそんな気を起こしたのかというと、ちょうど読んでいた『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ』(辻村深月)の中に新聞を読む人と読もうとしない人についての文章があったからだ。せっかく家に届いているのだから読んでみようと…