雲に鳴く。

趣味の小説書き、雲鳴遊乃実のブログです。個人サークル『鳴草庵』

2018-03-01から1ヶ月間の記事一覧

【感想】もしもし、運命の人ですか。(穂村弘)

前の部署の傍には図書室があり、担当の方が時折新しい本を仕入れていた。 大抵は業務に関わる内容だったのだが、たまに流行の本が入荷されることもあった。 その中で、『本当はちがうんだ日記』というタイトルを見かけ、つられて手に取ってしまった。 それが…

【感想】7月のちいさなさよなら(石川博品)

昨年の末、『僕とキミの15センチ』(ファミ通文庫)という本を読んだ。これは15センチをテーマにしたアンソロジーで、参加者は基本的にライトノベルを発表している方々だった。 ライトノベルを読みたいと思いつつ、長く続くシリーズを読む気力がなかなか湧…

【感想】風に舞い上がるビニールシート(森絵都)

2017年の末に、その年に文芸雑誌に掲載された短編を寄せ集めたアンソロジーを読んだ。 テーマが特にあるわけでもなかったのに、そのうちの半数がミステリ風味なのが何だか気にくわなかったのだが、そんな中で一人、ミステリではない作品を書いていたのが森絵…

【感想】すべて真夜中の恋人たち(川上未映子)

これは大人の恋愛小説と、割り切ってしまうと、バイアスが掛かってしまうように想われる。 この物語の主人公は三〇代の後半に差し掛かる女性で、相手は五〇代と思われる初老の男性。客観的には大人同士。そういったものに興味があるかと言われると、どちらか…

【感想】映画篇(金城一紀)

大学四年の時間を持て余していた時期に、映画好きの後輩から『GO』という邦画を勧められた。 在日朝鮮人の主人公が社会と反発しつつ自分を見つめ直し突き進む映画で、触れがたいシリアスなテーマにも関わらず、視聴後の気分は爽快だった。 『GO』の原作者と…

アドヴァンシヴかつグローヴァルなネオ・ポスト・モダン・ソーシャルにおいてTRIZからファー・フロムなパスト・レガシー・コンテンツであるところの”漢文”なるものについて

最近漢詩が面白そうだと思って読み耽っていたのだが、漢文を学ぶことの無意味さを解くツイートが流れてきて、反論として漢文はこんなに大事だよ! とか、やっぱり意味ねーじゃねーかとか、いろいろな言論が飛び交っていたので、面白そうなので話題に乗って思…

【感想】音楽の海岸(村上龍)

村上龍といえば、僕はときどき作品を手に取るのだけど、いつも途中で読むのを止めてしまったり、読み終えてもうまく言葉がまとめられずに放置してしまう。 とはいえいつまでも何も書けないのもつまらないので、せっかく読み切ったことだし何かしら残してみる…

【感想】月曜日の友達(阿部共実)

舞台は中学校。主人公の水谷は、大人と子どもの境目で、周りの変化に焦りつつも目を背ける。何も考えずにいられた時を懐かしみ、今いる場所の窮屈さに嫌気が差して夜の街を走る。 学校でも姉 家でも姉。姉に似てないのがそんなに変なのか。 私は月曜日が嫌い…

自作ブーン系小説一覧

長編 さよなら、そしてまた会おう(全9話予定) 2018/11/10~ ( ^ω^)優しい衛兵と冷たい王女のようですζ(゚ー゚*ζ('A`)しりとりをするようですo川*゚ー゚)o(全10話) 2013/9/8~2013/12/14 ( ・∀・)探偵モララーは信じているようです (全10話) 2…

自作一般小説一覧

長編 疎遠の本懐 ……サークルクラッシャーの話。 ウィトルウィウスの夢物語 ……水車の見える街の話。 フウカのカタナ ……狐を斬る姉と対決する話。 時をかける俺以外 ……時をかける人に気づく男の話。 From AI to U ……アンドロイドの少女と絵描きの青年の話。 短…