雲に鳴く。

趣味の小説書き、雲鳴遊乃実のブログです。個人サークル『鳴草庵』

2015-01-01から1年間の記事一覧

今年読んだ本まとめ

2015年もいよいよ終わり、ということで今年どんな本を読んだのかをまとめてみました。長くなるので目次をご活用ください。 小説 漫画 そのほか お薦め本ベスト12 小説 商業誌の小説のうち、年内に読み切った本です。紙書籍、電子書籍、購入した本、借りた本…

『街場の文体論』感想、及び二四歳の所感

このたび無事誕生日を迎える運びとなった。折りしも三日ほどかけていた内田樹さんの『街場の文体論』が読み終わったので、簡単な感想を交えて二四歳の所感をつらつらと語っていこうと思う。 『街場の文体論』は、著者の大学で開講していた「クリエイティブ・…

創作支援サイトまとめ

創作系情報BOTさんが停止されるとのことなので、ツイートからいくつかサルベージしました。 Wordで作る自家製本。 http://jikasei.fc2web.com/ 小説HTMLの小人さん http://htmldwarf.hanameiro.net/ 症状から調べる 自然食品効能辞典 http://www.healthy-myl…

鉄血のオルフェンズ 鉄血編(4話~6話) 感想文

CGS編に引き続き鉄血のオルフェンズの感想文。 その前に簡単な振り返りをしますと、こう。 1話 クーデリアの護衛を任されたCGS三番隊がギャラルホルン火星支部の中隊を相手取る。 2話 バルバトスが初戦闘を終え、ギャラルホルン側が撤退。逃げ出した一軍が…

鉄血のオルフェンズ CGS編(1話~3話) 感想文

CGS編をまとめて見ての感想文を書いておきます。 オルガについて CGS編でのオルガが鉄華団結成に至るまで気持ちを固めて行く様を追っていきます。 まずは何を押すにもまず三日月との関係がありますね。 第一話の冒頭は、オルガの見ている夢で始まる。幼い頃…

うしろむきの話

木曜日のお昼過ぎ頃から急に目の奥が痛くなった。パソコンの画面を三時間ほど凝視して作業していたための眼精疲労だったのだろう。祭りの脇道で、こめかみを突きながらとぼとぼ帰った。寝て起きて、まだ痛かったので、今日一日もきつかった。夕方過ぎになり…

第二十一回文学フリマ東京参加レポート(本音編)

はい、こんばんは。雲鳴遊乃実です。 このたびは個人サークル鳴草庵名義で文学フリマ東京に出店いたしました。 当日は雨もぎりぎり降らず、会場にもたくさんのお客様が押し寄せてくださり、賑やかな文学フリマだったなあと感じております。 さて、当サークル…

文学フリマに出店します。

第二十一回文学フリマ東京に出店者として参加します。 日時:2015年11月23日(月・祝) 11時~17時 場所:東京流通センター 第二展示場 ブース:B-43(一階右側奥) 出店する作品は今のところ一冊を予定しております。 『翔兎乃音』というタイトルで、124ペ…

『スキップ』(北村薫)

北村薫の『スキップ』を読み終えて、緩やかで良い余韻に浸り、時間もあるものだからブログでも書いてみるかと思い至った次第である。 まさか前回の記事が八月だったとは思いも寄らなかった。 スキップ 作者: 北村薫 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 1995/08…

図書館が逃げ場所であることについて

「学校つらい子逃げて来て」鎌倉市図書館が感涙ツイート 職員の思い - withnews(ウィズニュース)withnews.jp こんなこと言われたら泣くしかないわ。 このツイートが回ってきて思い出したことなのだが、中学生くらいのときの僕は図書室に避けていた。何故か…

学部再編の報せを聞いてから

文系学部の再編の報せを聞いてからちょくちょくその善し悪しを考えている。現状の文系学部が優れているとは思えない。立ち位置自体があいまいな学部もたくさんあったし、そもそも理系文系という区分がおかしいともよく言われている。 自分の体感なのだけど、…

「ニッポンのマンガ*アニメ*ゲーム」展

国立新美術館で開かれている「ニッポンのマンガ*アニメ*ゲーム」展に先日ふらっと足を運んだところ、予想以上に楽しめた。展覧会は8月31日まで開かれているので、まだぎりぎり8月である今のうちに紹介しておこうと思う。 「ニッポンのマンガ*アニメ*ゲー…

夏をゆく人々

先日神保町を歩いているときに不意に映画が見たくなり、岩波ホールに潜り込んだ。普段映画を見るのはだいたい家のパソコンか、イオンシネマみたいな家族連れのわんさかいる大型の劇場かでしかなかったから、ビルの最上階を締め切り厳かな雰囲気の中で鑑賞す…

【感想文】SHIROBAKO #6 イデポン宮森 発動編

前回のお話から引き続き、爆発のシーンを作画と3Dどちらで描くかで右往左往。太郎が伝達しなかったことで、次の話を担当する宮森にも飛び火して、しかたなくデスクの本田さんに伝えたら「万策尽きたー」と叫ばれる。監督にも相談を、と思ったらカンヅメから…

『流』(東山彰良)

流 著者 : 東山彰良 講談社 発売日 : 2015-05-13 ブクログでレビューを見る» 「わしらに大義なんぞありゃせんかった」 主人公の祖父が述懐するのは、国民党と共産党に分けられるときのことだ。ちょっとした好悪で敵と味方にわかれ、その結果大陸と島国がとて…

悟浄出立

悟浄出立 著者 : 万城目学 新潮社 発売日 : 2014-07-22 ブクログでレビューを見る» 2009年から2014年という長い期間で書かれている。2006年にデビューした作者の、物語の書き方がどんなふうに変わったのかが見えてくるようだった。・悟浄出立 『西遊記』の沙…

デザインをいじった話。

久しぶりにブログをいじって気づいたのだが、カテゴリが表示されていなかった。右カラムにモジュールを追加したことで解決。ついでにデザインも簡単にいじくった。少しでも読みやすいブログになればありがたい。 思えば読む人への心配りが低かった。そもそも…

【感想文】SHIROBAKO #5 人のせいにしているようなヤツは辞めちまえ!

要点を絞った書き方を試みてみる。 SHIROBAKO #5 人のせいにしているようなヤツは辞めちまえ! おいちゃんの同級生たちが顔を合わせた前回はなごやかに現状を確認するお話でした。仕事でもないわけですし、見ているこちらも安心……したわけですが、五話はもう…

『シェルターより』(お題:隠しきった涙)

時坂教授の遺してくれたプログラムに、涙についての記述があります。感情が昂ぶったとき、人はその下瞼の穴から体液を分泌されます。色のついていない血液のようなこの液体のことを『涙』と言います。感情の昂ぶりとは、主として悲しいときですが、怒ったと…

【一時間即興小説】伝統の一戦

新聞記者・ヤマニシの手記を理解する上で必要ないくつかの事項を今ここで明らかにしておきたい。内容についての詳細は私には皆目わからない。私はただ事実を述べるだけであり、これをもってヤマニシのたどった数奇な人生を理解するうえでの手助けとなれば幸…

【感想文】SHIROBAKO #4 私ゃ失敗こいちまってさ

ネタバレありです。お気を付けて。 SHIROBAKO #4 私ゃ失敗こいちまってさ おいちゃん中心に進んでいた今までから一転、今回は高校時代の同好会メンバーが出てきます。それぞれが二年半経ってどんな状況になったのかが気になるところですね。 一人、声優志望…

【感想文】SHIROBAKO #3 総集編はもういやだ

ネタバレありです。お気を付けて。 #3 総集編はもういやだ 前回の話し合いの結果、4話の原画を描き直すところからスタート。 おいちゃんのスケジュールチェックとともに仕事紹介。たくさんある仕事内容をどんどん思い出していくおいちゃん。なんて恐ろしい…

【感想文】SHIROBAKO #2 あるぴんはいます!

昨日に引き続き感想文を書き綴る。 ネタバレはありです。お気を付けて。 SHIROBAKO #2 あるぴんはいます! 四話の作画監督だった瀬川さんが倒れ、おいちゃんが介抱するところからお話が始まります。 瀬川さんの埋め合わせのため、おいちゃんに目を付けられた…

【感想文】SHIROBAKO #01 明日に向かって、えくそだすっ!

休日の終わりの切なさに耐えかねてSHIROBAKO一話を見返したらやっぱりどう考えてもめちゃくちゃ面白いので感想をしたためてみたいという衝動に駆られブログの投稿フォームを早速開いた次第である。 アニメの感想だけれどもキャプチャ画像はないしストーリー…

『SHIROBAKO』 感想文

「SHIROBAKOを最後に会社を畳もうと思っていた」――永谷P再起の理由ascii.jp 先週上記の記事を読んだ。記事の中では古い時代の経験が過去に受け継がれていく様に触れられており、もともとそのようなテーマが好きだったので、ひとまず一話目から見てみようかと…

日焼け止めが効かなかった話。

昨日体調を崩した原因がわからない不安まま朝を迎えた。 腹痛は和らいでいた。痛みがあったが、機能に比べたらだいぶマシ。痛いのになれすぎてしまったのかもしれない。 不安はあったが、気晴らしも兼ねて外出した。職場の同期たちが開いていたバーベキュー…

病院に行ってきた話。

朝からとんでもない腹痛があり、職場に着いてからもまったく引かなかったので、早引けして近所の病院へと直行した。 診察を受け、念のための血液検査やら練度兼写真撮影やらをした末に、『過敏性腸症候群』じゃないかと言い渡された。肉体的にはまるで異常は…

『旅のラゴス』(筒井康隆)

旅のラゴス (新潮文庫) 作者: 筒井康隆 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 1994/03/01 メディア: 文庫 購入: 44人 クリック: 360回 この商品を含むブログ (137件) を見る どうやら旅とは、行って、帰ってくるまでを指すらしい。『旅のラゴス』を読んでそう気…

真面目に遊ぶ――『ワールドトリガー(11)』(葦原大介)

遊べよ遊真 楽しいことはまだまだたくさんある (ワールドトリガー11巻 P127) 林藤支部長のこのセリフがとても良かった。11巻で一番好きなシーンだ。あまりにも良いものだから、その理由を含めた感想文を簡単にでもいいからしたためたい。 林藤がこのアドバ…

読んだら是非とも感想を――『サラバ!』(西加奈子)

物語に時代を設定する意味は何か。 『サラバ!』では物語の書かれた理由が作中で言及されている。だが、僕が言いたいのはメタの話だ。どうして著者は、物語の時代をある時期からある時期までと具体的に定めたのか。ひとつあげるとすれば、時代観が読み手に与…