雲に鳴く。

趣味の小説書き、雲鳴遊乃実のブログです。個人サークル『鳴草庵』

学部再編の報せを聞いてから

 文系学部の再編の報せを聞いてからちょくちょくその善し悪しを考えている。現状の文系学部が優れているとは思えない。立ち位置自体があいまいな学部もたくさんあったし、そもそも理系文系という区分がおかしいともよく言われている。

 自分の体感なのだけど、社会に出てから、大学で学んだことはなんだったのだろうと考えることも多い。こと仕事に活かせるかという面では、文系学部と理系学部の間には大きな隔絶があるだろう。文系の学部に所属していた期間は、確かにのびのびとしていたけど、持てあましていたとの思いが今では一番強い。

 大学の位置づけが仕事をはじめる前の準備期間だとすれば、文系学部の削減も仕方ないのかもしれない。でも、そうじゃないと考える人も多いだろう。社会人になる前の最後の自由時間は、決して仕事だけを見据えるものじゃないくて、自分の考えを延伸したり見識を広めたりする機会だと、捉える人もいるだろう。それはそれで、個人の意見なのだから、誤っているとも言いがたい。

 では現実の大学はどうなのだろうと考えてみれば、よくわからない。どっちつかずだ。仕事前の準備期間と捉える人は、大学なんて自分の身分の置き場所くらいに考えて、自分で自分を企業に売り込んでいる。遊びたい人は勝手に遊んでいる。事情がない限り大学の授業に出席する義務は無い。でなくてもいい授業の内容が文系であろうとなかろうと関係ない。

 大学というものがなんのためにあるのかを考えない限り、学部が減ろうと変わろうと、学生は変わらない気がする。今のところ、大学に出てさえいれば将来的にメリットが得られるから受験する人が多いというだけだろうしね。