雲に鳴く。

趣味の小説書き、雲鳴遊乃実のブログです。個人サークル『鳴草庵』

齋藤孝『大人のための読書の全技術』第五章を要約する

読書には、自分が楽しむための読み方と、読書を通して何らかの武器を得ることを目的としたものとの二通りがある。後者が「アウトプットを意識した読書」である。

そのアウトプットする力とは何かといえば、表現する力、突き詰めるとコミュニケーション力である。コミュニケーション力が読書と繋がっていることを意識するためには、本に触れながら話す習慣を身につけていく方法がある。本から読み取ったことを誰かと語り合えば、雑談力を身につけて人間関係を向上させたり、読書経験を仕事に活かしたことで職場で信頼感を勝ち得たりできるようになる。これが本に触れながら話すという意味である。

読書によるアウトプットは、コメント力、質問力、雑談力、理解力、相手の心を掴む技術、言語能力などの向上に繋がり、強固なコミュニケーションを築いたり、全体的・長期的にものごとを見る目を養ったりできるようになる。

社会では経験値を持っていることが求められている。しかし本をただ読むだけでは受け売りになってしまう。経験と言葉を結び付けていく読み方が必要となる。これはつまり、SNSなどを通じての水平方向の繋がりばかりではなく、経験ある著者の言葉を理解することによって思考力を高め、精神世界を垂直方向へと広げていく。そうすることで、自らの経験値を飛躍的に上昇させることだ。このような訓練を積めば、自分が知っている情報・知識を自分の文脈の中で活かせるようになる。それは文脈力といえるものであり、コミュニケーションを取る際の大きな武器になる。