【文フリ感想文】多様な文藝に触れながら――『棕櫚 第5号』(マルカフェ文藝部)
何度か足を運んでおります、マルカフェ文藝部。
マルカフェっていうのは、東急池上線御嶽山駅からほど近いところにある「大人のための週末カフェ」。時間に余裕があればまた行きたい、なんて思いつつ結局僕はまだ一度しか行ったことがない。それなのにどうやら店主さん方に顔を覚えてもらえているようで、おそれいります。ありがとうございます。
なんで通うようになったのか、あんまり憶えていないのですが、なんとなく集まって創作活動しているっていうのに惹かれたんだと思います。自分はそういう活動をずっと一人で行ってきたものですから、興味が湧いたわけですね。
マルカフェの傾向が自分にぴったり来ているかというと、実は素直には首肯できない。でも読んではみたい。総合文芸誌という触れ込みのとおり、多種多様な創作活動があるってことに気づかせてくれるアンソロジー。それが『棕櫚』ですね。改めて、第5号発行おめでとうございます。
マルカフェについての説明はこちらのホームページにもありますよ。
内容について軽めに。
今回の自分のお気に入りは小説『スパイス』(石川友助/挿絵・Kazu Tabu)と、随筆『Resurface-d』(Kazu Tabu)です。
『スパイス』はシュールな舞台設定がまず魅力的で、何が起こっているのか読み込むとどんどんこの村の世界観に引込まれてしまう。そんな振り回される感覚がまた楽しかったです。
『Resurface-d』は、自分が随筆好きというのが大きいのかなと。人の考え方を見たり聞いたりする。自分以外の経験を知って、プラスになったり、あるいはもっと別の方向を見てみたくなったりする。そういう意味ではこちらの随筆、決して穏やかな話ではないけれど興味深く読ませていただきました。