雲に鳴く。

趣味の小説書き、雲鳴遊乃実のブログです。個人サークル『鳴草庵』

風の海 迷宮の岸 (小野不由美)

 

風の海 迷宮の岸〈上〉 十二国記 (講談社X文庫―ホワイトハート)

風の海 迷宮の岸〈上〉 十二国記 (講談社X文庫―ホワイトハート)

 

 

 

風の海 迷宮の岸(下) 十二国記 (講談社X文庫―ホワイトハート)

風の海 迷宮の岸(下) 十二国記 (講談社X文庫―ホワイトハート)

 

 

 読んだら書く癖をつけたい。

 

 というわけで十二国記。事実上の一巻に当たる『月の影 影の海』を読んだのが確か去年の夏休み。シリーズは気合いがいります。お話が繋がっているわけではないんですけれどもね。

 読みやすい。この読みやすさは何なのか。特殊な言葉も出てくるけれども馴れてしまえば情景が頭にどんどん浮かぶ。何かこう、言葉の選び方だとかが上手いのかもしれない。登場人物たちも、人と違う部分もあれど、根っこの方は理解できる範囲内。そういうこともあって入り込みやすいのだと思う。

 まだまだ先は長い、と思ったけれど、調べてみるとそうでもないような。スローペースで刊行されているようですね。頑張ればこれから十分追えるかも。

「我々は物見遊山に参るわけではない」

 驍宗だった。顔にあの苛烈なものが浮かんでいる。

「妖獣を狩るとなれば、黄海の縁ばかりを往くわけにはまいらぬ。多少の危険はないとは言わぬ。お守り申しあげる自信があればこそ、お誘いしたまで。そこまで重々の念のおしよう、いかな蓬山の女仙方とはいえ無礼に過ぎよう」

(下巻・p57)