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雲に鳴く。

趣味の小説書き、雲鳴遊乃実のブログです。創作サークル綾月所属。個人サークル鳴草庵代表。

『BLUE GIANT(7)』(石塚真一)[ネタバレあり]

 

BLUE GIANT(7) (ビッグコミックス)
 

  年末に、「あー新刊出てるなあ」とは思っていたんですが、ぼーっとしているうちに次の巻まで発売されてしまっていました。財布や時間等々との兼ね合いで、8巻はまた後で買うことにしました。

 ジャズトリオ『JASS』を結成した大、雪祈、玉田の三人組。ライブを繰り返していくことで、次第に知名度が上がっていく。

 

 大や雪祈と違い、都会に出てから音楽を始めた玉田は二人に追いつこうと必死に練習をしていました。素質の違いも明らかで、ライブでも期待されるのはいつも大や雪祈ばかり。ですが、熱心に玉田を見つめる老人が一人。

 

老人「良くなっている」

玉田「え・・・・・・」

老人「ボクは君のドラムを、成長する君のドラムを聴きに来ているんだ」

 

 

 思わず目元を潤ませる玉田。

 のっけからやってくれますね。大や雪祈との圧倒的な実力差をどうやって埋め合わせるのかな、と思っていたのですが、地道に努力を積み重ねていくみたいです。

 ところで今巻のBONUS TRACKは玉田なんですよね。今のところは主要キャラです。BLUE GIANTがまだまだ終わるとは思えませんし、今後玉田はどこかで大たちと離れてしまうのでしょう。もちろん良い形で。

 

 知名度があがっていくことを喜び合いながら、一人真剣な顔つきの雪祈。JAZZでデビューすることの難しさを克服するためには若さという最大の武器を利用するしかない。そう思いついた彼は、日本一のJAZZクラブ「ソーブルー」で演奏してもらうよう交渉に出ます。組んだばかりのバンドには大きすぎる一歩。しかし雪祈は自分たちの実力を確信している。代表社にライブを聴いてもらう約束まで漕ぎ着けて、練習メニューを厳しくしながら、なんとか自分たちの全力の演奏を相手に聴いてもらう事に成功する。その結果は・・・・・・

 

「君のピアノは、つまらない」

 演奏態度を褒められた玉田や可能性に言及された大と違い、雪祈ただ一人だけが駄目出しを食らってしまう。

「君は、おくびょうか? ビビリ屋? ナメてる? 調子に乗って、それでいいと思ってるのか?」

「全力で自分をさらけ出す、それがソロだろ」

「内蔵をひっくり返すくらい自分をさらけ出すのがソロだろ。君はソロができないのか?」

  

 雪祈という人物は、いわゆるお兄さんポジションでした。猪突猛進な大にブレーキを駆け、素人である玉田に厳しくあたり、それでいながら二人をまとめてトリオを牽引していた彼。態度も常に自信ありげで、それを裏付ける技術も備えていた。そんな彼がここにきて初めて大きな挫折を味わいます。駄目出しを食らいながら顔を引きつらせた彼の顔は、初めて見せた年相応の態度のように思えました。

「あそこまで、言ってくれるか?」

「あの人、いい人だな・・・」

 未成年デビューはもう叶わないのでしょう。 雪祈の心情がどう変わっていくか気になるところで今巻は終了でした。

 

 巻末には、絶賛存命中のJAZZの巨匠、ハービー・ハンコックウェイン・ショーターが作者と交えて語り合っています。生きていたのかこの人たち!

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