本日買った本と今後読みたい本
今日はamazonで注文した古本が三冊届きました。
『紫苑物語』(石川淳)
『懐中時計』(小沼丹)
『恋ごころ』(里見弴)
の三冊です。
先日読了した『名文』にて紹介されていた作家のうち、きになった方々をピックアップしました。作家買いですね。といっても、予算の都合で選べなかった方々がまだまだたくさんいます。全部で十人。全員のうち一冊ずつ買えれば良かったのですが、どの本も妙に高値でした。
青空文庫に載っていればよいのですが、あいにくそこまで昔の方々でもないんですよね。
『名文』自体は1979年の内容であり、大正から昭和初期~中期ほどの作品がたくさん紹介されておりました。だいたい1930~70年ってところですかね。その時代の小説の作者には1980、90年代に亡くなられた方が多いです。今となっては新刊は出ません。しかも、青空文庫に掲載されるにはまだ20~30年くらいかかる。国語の教科書に載る作家は限られますし、この年代の作家、及び作品立ちは馴染みのない作品として忘れ去られてしまうのかも知れません。僕も正直なところ知らない方々ばかりでした。
ただ、文章を読んでみればよくわかるのですが、この時代の作品って本当に読みやすいんです。明治、大正時代の文豪の作品と比べると言葉遣いがぐっと現代に近くなる。というかほとんど変わらない。むしろ柔らかい表現がたくさん使われていて不思議にも思います。戦前戦後、戦間期でそれぞれ流行があったのかもしれない。文芸賞の選評者の違いとか。もちろん中村明さんの『名文』という一書籍の中で読んだ文章に限ってのお話なので、全体を眺めてみればまた違うのかもしれない。
青空文庫に掲載される時が待てなければ自分で探すしかないですね。自分に合いそうな気がするので、しばらくは昭和初期、中期の作品を追っていくことになるかなと思います。
最後に、『名文』で僕がピックアップした方々の名前と引用されていた作品名を列挙します。気軽に、この本よさげだよって感じでね。
- 森鴎外『空車』(大正5年)(青空文庫にありました)
- 里見弴『椿』(大正12年)(どの本に収録されてるかわからなかったので短編集を買いました)
- 坪田譲治『風の中の子供』(昭和11年)(児童文学です。筒井康隆さんが泣いたそうな)
- 坂口安吾『桜の森の満開の下』(昭和22年)(青空文庫にありました。ずっと梶井基次郎さんのと混同してました)
- 高田保『ブラリひょうたん』(昭和24年)(新聞のコラムだったそうですね)
- 志賀直哉『山鳩』(昭和25年)(法改正しなければあと5年で青空文庫で読めます)
- 幸田文『おとうと』(昭和31-32年)(積ん読してありました)
- 石川淳『紫苑物語』(昭和31年)(作家の三浦しをんさんのお名前の由来がこのお話だそうですね)
- 小沼丹『懐中時計』(昭和43年)(井伏鱒二さんとは師弟関係です)
- 藤枝静男『雛祭り』(昭和52年)(晩年の短編ですね)