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雲に鳴く。

趣味の小説書き、雲鳴遊乃実のブログです。創作サークル綾月所属。個人サークル鳴草庵代表。

鉄血のオルフェンズ CGS編(1話~3話) 感想文

感想

CGS編をまとめて見ての感想文を書いておきます。

オルガについて

 CGS編でのオルガが鉄華団結成に至るまで気持ちを固めて行く様を追っていきます。

 

 まずは何を押すにもまず三日月との関係がありますね。

 第一話の冒頭は、オルガの見ている夢で始まる。幼い頃のオルガと三日月の描写です。PD315、銃を放って誰かを殺した三日月が、「次は何をすればいい」と問う。答えるシーンに移る前に、うなされたオルガが目を覚ます。このシーンの意味は、九話までの時点ではまだ出ていませんが、示唆は冒頭からされていたんですね。

 このほか、例えば一話での雪之丞さんとの会話はこう。

 

「かっこ悪いところは見せられないからな」

 

「三日月には、か。苦労するな、隊長」

 

三日月とオルガの関係は六話ではっきり言葉で示されるけど、そこにいたるまでに示唆するシーンや言動がちりばめられています。

 

 CGSに雇われている非正規少年兵のオルガたち。その立場と後の展開から、独立は最初から狙っていたのかなと思っていたのですが、よく見てみたら第一話でのオルガはまだ独立を目指しているようには見えません。少なくとも第一目的ではなかった気がします。

 第一話の前半で、ユージンと言い争っている場面では、どいらかというとユージンが反乱意欲旺盛で、オルガはそれをあしらっている雰囲気でした。

 それでも三番隊に所属する仲間への思い入れは強く、彼らを護らねばならないことは強く意識している。

 だからこそ、クーデリアがやってきて(このときもうクーデリアが狙われていることは悟っていますね)、ギャラルホルン火星支部の夜襲があったときに、一軍の大人たちの怪しい態度から自分たちが捨て駒にされることを瞬時に悟り、ビスケットと結託して一気に反抗に出ることができた。一軍に信号弾を仕掛けて囮にし、ギャラルホルンの夜襲に抑えつけて、エイハブウェーブの知らせを受けてマルバ社長秘蔵のモビルスーツを三日月に載せて戦うよう指示を出した。

 あの一話の戦いも全てが完璧だったわけではありません。三番隊の死者は42人。モビルスーツに乗っていたのが少年兵に同情的なクランク二尉でなければもっと被害が生じたはずです。

 それでも戦いに身を投じた。仲間を護るためでもあり、三日月に期待されたからでもある。

 

「ねえ、次は何をすればいい?」

 

「決まってんだろ。行くんだよ、ここじゃないどこか」

 

 二話では一軍の連中が戻ってくるわけですが、オルガはまず彼らの理不尽なしごきを一身に受けます。それが終わり、ユージンたちに声をかけられ、「ちょうどいいのかもな」と呟きます。乗っ取りを実行する意志が確固たるものになったのはこのときでしょう。

 一軍の人々の能力を見限ったオルガは、三話にて彼らを拘束し、抵抗する人を殺して、それ以外の人に選択肢を与え、CGSを乗っ取ります。きちんと去る者には退職金を与え、まっとうな組織として固めていく。

 三日月とクランクの決闘の最中、組織名を散らない華、鉄華団と命名します。後の話でも出てきますが、三番隊のメンバーがこれ以上離れないことを意識してのネーミングです。タイトルが「散華」なんてものだから、やたらと物騒に聞こえますけど、散ったのはクランクであり、子どもは戦いに出なくていいという彼の思想です。

 クーデリアの提案を受けて彼女の護衛を継続し、彼女のパトロンであるノブリスを頼りに地球を目指す。これが三話までの筋道です。

 オルガの意志決定が話をガンガン進めていく。運の良さもあって、綱渡りで。そんな彼の無鉄砲な牽引を見てきたからこそ、七話以降でCGSにいた暴力的な上司とは違う大人たちと出会って彼が揺れ動く様が、ものすごく面白い。

 

クーデリアについて

 クーデリア・藍那・バーンスタイン。火星にあるクリュセ独立自治区の代表ノーマン・バーンスタインの娘で、火星の独立活動家として注目を集めています。

 そんな彼女が地球に行くためにCGSに護衛を頼むところから鉄血のオルフェンズは始まりますが、CGSの三番隊には碌に挨拶も返されないし握手を求めても拒否されるし理想主義でいるのを馬鹿にされるしで面白いくらい散々な目に遭います。三日月はともかくビスケットくらい返事してあげてもいいじゃないか・・・・・・

 

 そもそも三番隊を選んだ理由は、火星の経済格差の被害者である少年兵の痛みを分かりたいから。先に三番隊の劣悪な状況を知っている視聴者側としては、冷や汗ものの薄っぺらな人道主義です。

 三日月に握手を拒否されたことを夜中まで引きずっていると、そこにギャラルホルンの夜襲が来ます。メイドのフミタンのどこかへ行ってしまい独りになる(ちなみにフミタンは先頭が終わると片腕をわずかに負傷した状態で帰ってきますが、何をしていたのかまではまだわかっていません。だから怪しい怪しいって言われてるんですね)。

 少し描写が飛ばされて、オルガに指示されたビスケットが、彼女を連れてCGSの三番隊の動力庫へ。元の場所に戻ろうとするクーデリアをビスケットが怒鳴りつけます。

 

「あのままあそこにいたら死にますよ!」

 

 死を意識して怯えるクーデリア。そんな彼女をほったらかしに少年兵たちは次々と戦いに身を投じていく。クーデリアが死んだら相手の思う壺なので、とにかくひたすらじっとしとけと言われます。

 というか、クーデリアは助けられたのも、どちらかというと、クーデリアを連れてずらかろうとして一軍の鼻を明かし、その一方でギャラルホルン側のクーデリア暗殺に抵抗するため、というのが大きかったのかなと思います。後にノブリスとの関係を明かされて資金面でとても大切だと気づきますが、拉致した時点ではまだ気づいていませんよね。

 

 バルバトスに搭乗する三日月に対して、どうして命を捨てられるのかと訊くと、こう答えられます。

 

「大切に決まってるでしょ。俺の命も、みんなの命も」

 

「私は・・・・・・」というクーデリアの呟きとともに画面は暗転する。人道主義を掲げていたクーデリアの考えが揺さぶられる。

 なにげにだけど、阿頼耶識システムは非人道的と言うクーデリアに、雪之丞さんが客観的に正確な知識で説明を加えているのが面白かった。雪之丞さんは冷静で子守もできるいい大人です。友達はいないとかいうけど、それをまた気にすることもないのがね。

 

 

 2話の後半は、クーデリアのかつての講演から始まります。火星で子どもたちが酷い目にあっているということを語っています。これが、クーデリアが独立活動かとして一気に注目を集めたノアキスの七月会議ってやつなんですかね。

 戦闘を実際に見てしまった今となっては、壇上での講演が空しくなる。

 家に戻れとノーマンから伝達が来ますが、ギャラルホルンに自分が売られていたことを察し、返事をしかねます。そこへ「まだいたんだ」と三日月がやってくる。感謝の言葉を述べるクーデリアに、「マジでやめて」とにべもなく返されてしまいます。

 

「俺の仲間を馬鹿にしないで」

 

 このときの三日月の目を、見透かされているみたいな目、とクーデリアは感じます。このときの演出は後にオルガが三日月の目に囚われていることを述懐するときと同じです。このあたり、クーデリアとオルガの共通項とも言えるんでしょうかね。十話以降で、きっと三日月とオルガの話はあるでしょうし、そのときもう少し詳しくわかるかな。

 

 クーデリアの気持ちが揺さぶられ、変化するのが三話。

 まずノーマンのところへは帰らないと決意します。自分の行動で誰かが死ぬことを恐れますが、クランク二尉と三日月の決闘を見ながら、自分なりの戦い方をしようと決意する。

 三日月のように戦えるでしょうかと、呟く彼女に、オルガがこっそり微笑んでいるのは、多少なりともクーデリアのことを仲間になれると感じたからでしょう。

 四話以降で、クーデリアはいろんなことに挑戦しています。世間知らずだった自分を恥じて、自分の位置を探そうとしていくんですね。

 

三日月について

 考察ってほどでもないけど、自分の気持ちをべらべらとしゃべるキャラクターでもないので、なかなか内面を探るのが難しい。

 ただ、やっぱりいわゆる冷血漢、というのとはちょっと違う気がする。

 というのも、まず一話目冒頭、オルガにふっかけるユージンの耳を抓ってこんなことを言うんです。

 

「喧嘩か、ユージン。俺は嫌だね」

 

 耳抓ってから言うんだから冷血、とも言えなくも無いけど、それ以前に仲間割れが嫌なんでしょうね。後にオルガも、仲間が割れるのを三日月が嫌がると語ってます。オルガが鉄華団を構築して三番隊全員で宇宙に出たのも、三日月の仲間を離さないため。

 仲間を攻撃する人に対して三日月は本当に容赦ないのだけど、そのあたりは四話以降でより明確となる話ですね。また、仲間でない人には関心がない。だから、鳴り物入りでCGSにやってきたクーデリアの軽薄さを突く。別に嫌みで言っているわけでもなく本当のことを言っているだけだと思うけど。

 

 ちなみに文字が読めないってのは二話で描写されていますね。冒頭でバルバトスに乗るとき、雪之丞さんに操縦の説明書を渡されて、それを断るシーン。文字が読めないから首を横に振るんだけど、このとき妙に悲しそうな顔つきをしているのがちょっと気になった。

 文字については六話や九話でも出てきますし、ちょくちょくキーフレーズになっている。

 

 三日月の潔さが一際目立ったのが三話です。

 まず拘束した一軍のうち、逆らおうとする人をどんどん殺していきます。それに加えて、クランク二尉との決闘。勝利したあとに、拳銃でもってとどめをさす。

 明確に人殺しをするので、そりゃもう怖い奴だと思えてくるんですが、気になったのはクランク二尉を殺すときです。

 コックピットを砕いたためにむき出しになったクランク。それに対して三日月は表に出てきます。自分では終われないとクランクが言うと、三日月はいったん面倒くさそうに頭を掻くんです。そしてそれから、何かを思いついたような表情をして、銃を構え、クランクの言葉を断ち切って三発撃ち込む。

 この思いついたような表情がなんだったのか、今の時点ではわかりません。ただの冷血ならこの描写は要らないでしょうし、言葉を断ち切って殺したのは、思いついた時点で殺す意志を決めたからですよね。何なんだろう。

 少し先に似たような描写が実は六話にもあるんです。まだ映像で確認していないので、きっとあとで上げる鉄血編のまとめでこのあたりのことは書きます。

 ところでクランクを殺した後、三日月の描写がちらっと入ります。ブレスレットを鼻に寄せてにおいを嗅いでいるんです。これもまた、なんでだろう。

 ところでこのブレスレット、アトラが編んだやつですよね。一話で編んでいて、二話で鼻血の痕にまみれている三日月にそびれて、三話ではいつの間にか三日月の腕に。いつ渡したのかなと思っていたのですが、三話の前半の食事の時に、三日月を遠目に見ながら雪之丞さんに何かをお願いしているんですよね。これがブレスレットのことだったのかな。

 いずれにせよ、三日月の性格を知るにはまだまだ話を見続ける必要があると思います。