雲に鳴く。

趣味の小説書き、雲鳴遊乃実のブログです。創作サークル綾月所属。個人サークル鳴草庵代表。

【感想文】SHIROBAKO #2 あるぴんはいます!

昨日に引き続き感想文を書き綴る。

ネタバレはありです。お気を付けて。

 

SHIROBAKO #2 あるぴんはいます!

 

 四話の作画監督だった瀬川さんが倒れ、おいちゃんが介抱するところからお話が始まります。

 瀬川さんの埋め合わせのため、おいちゃんに目を付けられたのは遠藤さん。三話の作画監督だった人です。おいちゃんは畳みかけるボケと真っ直ぐな視線で遠藤さんを翻弄。いい仕事しています。結果、仕事を引き受けてもらえることに。

 場面変わって朝会シーン。時間ははっきりわかりませんが、きっちり朝の打ち合わせのあるのがムサニのルールである様子。

「第二会議室に置きっ放しになっている私物は今日中に片付けてください」

 やっぱり夜は遅いんだ。

 

 すっ飛ばしましたが、OPの前にはずかちゃんが登場。その後居酒屋でバイトしている姿が映し出されます。駆け出しの声優としてあちこちのオーディションを受けているが振るわず掛け持ち。世知辛い。

 

 所変わって今度はアフレコ前の監督。『えくそだすっ!』の最終話の絵コンテを描いています。続きが思い浮かばない。怪しげな布石が打たれておりますね。

「綿菓子ってさ、どうして次の朝には無くなっちゃうのかな」

 『えくそだすっ!』8話のアフレコシーン。『えくそだすっ!』の登場人物であるあるぴんがいう台詞。この解釈で撮り直しを何度かします。演技指導ですね。本当に微妙なニュアンスなのですが、言われてみれば調子が変わっている。そこに拘る演出の方々の粘りもあるのでしょう。このあたりが今回の話のテーマです。

 このシーン、キャラにだけ画がついているんです。仕草さえわかっていれば声が当てやすいってことなのでしょうか。後の話では絵コンテで当てたりします。昔ちらっと見たエヴァンゲリオンのアフレコはCGモデルの棒に当ててたな……

 オーディション、および声優の選出については後々一話まるまる使ってじっくり描かれます。

 太郎がオーディションに立ち会いたいとのたまっているのは「つばめや」というラーメン屋。現実の店名は「つばさや」というそうな。

 午後。スタジオ看板には「4DR」の文字。おそらく4話の演出の総仕上げかなと思われます。3話の納品が三日前納品で終わったので、4話は早めに納めたいなあとみんななんとなく思っているんですよね。この場面。

 だけど、監督が納得いかない様子。

「絵、かな」

「はいぃ?」

 問題となっているのは、あるぴんが泣きながら真実を告白するシーン(詳しい事情は不明ですのでこんな表現です)。監督が拘るのは、あるぴんの心情と表情がずれているとのこと。あるぴんの顔が、このままだとあっさりしすぎている。監督としてはもっと複雑な心中を表してほしい。説明の口調がだんだん強く声高に、熱中していく監督が面白い。

 が、一度描いたものをなおすとなると大変な手間。演出の山田さんがキレます。キレながら泣きます。かつての監督のやらかした失敗、納期に間に合わずひどいできのアニメが放送されてしまった過去を明かしつつ説得を試みますが、上手くいきません。山田さんがこれほど感情むき出しにするのも珍しいです。だけど監督も引き下がりません。話を振られたあおい、作業開始の前にキャラの設定をみんなで確認しようと提案します。ここまででAパート。Bパートは、すべてその設定確認の会議が内容となります。

 さらっと各キャラの履歴をまとめるおいちゃん。もう化け物じみた整理整頓能力の片鱗が見えていますね。

 「それ最終回に関わってくるんですか」などと言われているところから、ここで語られているのはあくまで作品に関わってくる設定について。監督はたぶんその手のことがいろいろ浮かんでくるタイプで、他のクリエーターたちはそれに従い作品を形作る。だから適当にぽんぽん設定後付けされたら困る。はっきりいって木下監督は孤軍奮闘です。おいちゃんのサポートがなければ何も言えなかったでしょう。

 それでも話やっぱり唐突な変更点、話し合いは険悪なムードになってしまいます。監督の離婚話にまで触れてあーだこーだ。

 

(制作進行の矢野さん、複雑な表情の遠藤さんに対して)「おや、思い当たる節でも?」

「ないよ! ない!」

 そうか、こんなところにもネタがあったんですね。

 

 そこへおいちゃん。

「そういえば素朴な疑問なんですけど、あるぴんってドーナッツ派ですかね、羊羹派ですかね?」

 どことなくあるぴん本人を思い起こされるような質問。これを発端に監督の他、キャラの好きなものは何か、どうしてそう思うかを説明。それがそのままキャラの性格の話に続き、あるぴんの内面の話へ。おいちゃんすごいことしてるぞこれ。BGMが徐々に清々しい方向へと切り替わっているのが面白い。これが感情につけるってやつなのか!

 いちごショートの話に反応しているデスクの本田さん、これってもしかして伏線なのか。

 「あやちん推しですよ!」なんていつの間にか山田さんも話し合いにノリノリで参加しててほほえましい。

 あるぴんの内面が複雑と、再三言っていた監督ですが、ここでようやく具体的に説明してくれた気がする。お酒飲んだら速攻寝落ちするタイプ、とな。良くも悪くも脇が甘い。だから真実も上手く打ち明けられないでいる。そんな彼女が真実を明かすときが、きれいな顔のわけがない。

「アニメーションってテンプレの代名詞か? 違うだろ? 命を吹き込むってことだろう!?」

 複雑な内面を無かったことにせず、きちんと表現で形にする。なんて台詞だ。

「あるぴんはいます!」のおいちゃんの呼び声とともに、あるぴんたちの幻覚が(他に言いようがない)現われ、監督に寄っていきます。地味に山田さんのところにはあやちんが飛んでいきます。良かったね。

 話し合いの結論は原画から描き直すことに決定。次話に続く。EDは初お披露目ですね。ロロとミムジーが踊っています。後にこれがごく普通の光景になります。

 

 拘ることが上手くいくかどうか現実にはわかりません。木下監督だって前作では拘りすぎて大失敗した過去を持っている。だけど新しいチャレンジだってしなければ面白いもの、自分が描きたいものは表現できない。その葛藤が会議の形で現われていた。おいちゃんのアシストは、悩みのポイントであるキャラの性格について掘り下げるものであったし、きちんと固まってしまうと裏設定じみたものなんて必要は無くなってしまったというのも面白い。いや、木下監督は諦めてないのかもしれないけれど。

 

これで『SHIROBAKO #2 あるぴんはいます!』の感想文を終わります。