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雲に鳴く。

趣味の小説書き、雲鳴遊乃実のブログです。創作サークル綾月所属。個人サークル鳴草庵代表。

スマートノートの使い方

日記

岡田斗司夫『あなたを天才にするスマートノート』(文芸春秋を読み終えたので、スマートノートの使い方を備忘録として書き記しておく。


あなたを天才にするスマートノートあなたを天才にするスマートノート
(2011/02/25)
岡田 斗司夫

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【第一フェーズ 5行日記】

 毎日5行、やったことを書く。

 見開きの右ページに実際に会った具体的なことを書く。左にはそれに対する感想、反省、出来栄え、連想などを書いたり、ただのメモ書きとして用いてもよい。余白でもよい。

 書いたら忘れる。今の自分のバックアップはしてあるのだと安心する。書いたことを思い出せないならもう一度新しいページに書く。

【第二フェーズ 行動採点】

 一週間が埋まるようになれば移行する。

 今日の行動記録に0~5の段階で評価を加える。マイナスはなし。深く悩まない。

 反省や後悔は無用。無意識に覚えていて、低い点数を避けるようになる。

 悩む苦しさの本質は「複数の問題を頭の中でグルグルと回している状態」から生まれる。本来解決に使うべき脳の容量をジャグリングに使っているから疲れるし、答えも出ない。紙に書けば冷静に見つめることができる。

【第三フェーズ 論理訓練】

 一週間一見開きが狭いと感じたら移行する。

 毎日二ページ書く。右ページに日付を入れる。五行日記はもう必要ない。

 いつでも書けるようにノートを持ち歩く。ノートカバーはペンが入れられるものもあっておすすめ。仕事とプライベートをわけたりせず、時系列で並べる。

 右ページには「感じたこと」「考えたこと」を書く。連想するままに、あるいは深く考えて。読んだ本の感想や、テレビで気になった情報を書くのでも構わない。「面白かったこと」や「腹が立つようなこと」でも、気になったことを書きとめる。自分の感じたことを言語化する訓練となる。

 書きながら別のことを思いついたらそのまま書き加える。

 まずは感じていること、思いついたことを書く。それが今日の「お題」となる。このお題について2ページ使って考えることが第三フェーズ。展開の仕方は「なぜ」と問いかけること。未完成な理屈でも構わない。

 論理的に考える、とは上下水平方向に物事を考えること。下方向に「なぜ?」と掘り下げ、上方向に「ということは?」と推理を積み上げていく。左方向に「昔はどうだったか?」を考え、右方向に「同じような事例は無かったか?」と類似や連想を広げる。最後に「私はいま、こう考える」と結論を出す。間違っていても構わないから自分なりの結論を出す。翌日には持ち越さない。

 目的は論理のパーツを作ること。自分なりの論理を持つこと。

 左ページの使い方は大きく分けて4種類。1.右ページの続き。2.図解や要点をまとめたり箇条書きとして抜き出す。まとめ。3.面白いことを書く。4.ホワイトボード。

 3.面白いこととは、漫才で言うところのツッコミ。これを入れることで俯瞰的に見えるようになる。具体的に言うと6種類。1.具体的な体験談(失敗談)、2.的確な「たとえば」話、3.「要するに」抽象化、4.無茶なギャグ、ダジャレ、5.無理くりイラスト化、替え歌、6.キャラ化

 面白くする理由は、自分の幸せのため。面白いとは人間としての面白味のことを指す。勉強して頭がよくなるだけでは途中であり、その先に面白くなって、人から評価されたり、好かれたりして初めて、自分の幸せにつながる。

 ノートを右から書くのは、ツッコミを入れるため。

【第四フェーズ 見せてお話】

 平均して週に4日以上、2ページ書けたら移行する。

 他人にノートの中身を話す。

 この時期になってくると話したくて仕方なくなってくる。ノートの中身を人に教えたくなった頃と言える。

 相手を求めることになるが、いきなり理屈っぽい話を初めたのにも拘わらずちゃんと最後までじっくり聴いて理解してくれる人、なんていない。理想の相手を探すより、誰彼かまわず話しかける方が効率がいい。SNSで発信するのでも良い。

 ホワイトボードとしての使い方はここにある。人との対話を書いていく。いつの日かアイデアにつながる。そのためには、誰かと話すときにノートを広げる必要がある。別に他のページを見せる必要はない。見開きの左ページを互いに書き込める教養ページとして使ってみる。

 スマートノートのコミュニケーションは3段階。1.セルフ・カウンセリング(採点などで自分の内面を見、言語できない無意識の部分とコミュニケーションを取る。自分のことを客観視する)、2.セルフ・マネジメント(自分の求めていることを論化する)、3.コミュニケーション(他人とどんあ話をしたのか、どんな言葉を共有できたのか)

【第五フェーズ 脳内リンク】

 自分が書いた経験の積み重ねが「わかる」瞬間がくる状態のことを言う。自分というものを俯瞰して見える。

 スマートノートは自分の言葉でリアルに書く。これをすることでただ知っているだけの情報が、わかるようになる。ノートの情報が繋がっていく。

 脳は工場ではない。インプット、アウトプットの効率化を勧める書籍は山ほどあるが。アイデアなんて簡単に出てこないし、無駄があっても当然。左ページが開いているからと言って、無理に埋める必要はなく、無責任に気楽に書きたいことを書くべき。左ページが書けるようになるのは第三フェーズが始まって数日が経ってから。しかしそのときの脳内リンクはすぐに枯れ果ててまた書けなくなる。それでもつづけ、何か月も繰り返す。

 スマートノートは農業。第一フェーズで「開墾」(五行日記)、第二フェーズで「害虫の駆除」(楽しくないことをしなくなる)、第三フェーズで「日当たりと水はけの考慮」(論理的思考や読書などの勉強)、第四フェーズで「日々の手入れ」(毎日書くこと、人と話すこと)、第五フェーズで「収穫」(脳内リンク)。

 ノート術や思考法をいくら学んでもきりがない。それは収穫物を促成栽培しているようなもの。やり過ぎれば涸れ地となるだけで、新しい術で復活したように錯覚するだけ。そしてまた涸れる。

 いいアイデアとは、毎日毎日無駄なページを延々と作って、同じようなことを何回も何回も繰り返し考えて、ダメなアイデアを山のように積み上げた上にできあがるもの。考えたものは腐葉土となり、収穫を促す。

 自分の抱える問題について、中途半端でも論理を組み立てる。ある日解決される日が来る。

 何を書いていいかわからない状態から、毎日書けるようになるまで二年はかかるだろう。多毛作を目指す。

 論理は身を軽くするためのもの。荒ぶる感情をなだめる役割を果たす。たとえばノートを持ち歩くと聞いて、他人の目を気にしてしまうのが私たちの感情。それに対して、「ノートカバーをかけよう」や「会社の外で書こう」と解決法を考えるのが論理的なやり方。論理はあくまでも道具であり、感情を論理的にしては幸せにはなれない。

 大きな目標を掲げたりはしない。効率的な行動は長続きしない。最初はアドレナリンが分泌されてできるかもしれないが、そのうち動けなくなる。スケジュールとノートは別もの。自分の夢を設定してスケジュールをたてて、縛られる必要はない。夢として決めたことで毎週スケジュールを埋め、それをやらなかったら負けた気がして辛くなる。そんな劣等感で日々を過ごすのはばかばかしい。スケジュールは純粋な道具。ノートはスケジュールとは別で、自分の考え、自己実現、自己プロデュースのために使う。

【第六フェーズ 知識から教養、見識へ】

 ノートを描き続け、意見や仮説がたくさんできたら移行。

 中途半端なもので全然かまわない。パーツがあることが重要。脳内リンクが始まり、次第に面白い組み合わせを見つけられるようになる。そうなるとネタ探しのために新しいものを仕入れる必要はなくなる。あえて面白い仕事をしたり特別面白い体験をする必要も無くなる。つまり、新しいものを発信する競争に巻き込まれなくなる。同じものを見ても面白い反応や感想が生まれるようになる。

 意見や仮説が集まり、見識へと成長していく。そのためには3つの要素がいる。1つ目が知識(情報を自分のフィルターを通して取り込んだもの)、2つ目が人格(取り込んだ知識をどう解釈するか、というスタンス。ひねくれているとか、ひとことで表わせるものではない)3つ目が教養(アカデミックな教養ばかりではなく、あらゆる事柄に対して時間や空間に沿って整理されている知識。脳内で遠近感が付けられている知識の塊)。

 単なる教養はつまらない。それではただの専門バカでありオタクである。なぜつまらないかといえば、そこに語り手の顔がないからだ。教養に、その人の立場や判断を交えて、初めて見識とよべるものが生まれる。

 立場とは、その人の立ち位置。「俺が」「私が」がないと見識とは言えない。これがないと批判や批評も弱くなる。立場があれば言いたくても言えないことが生まれ、そこをやりくりするための責任感や説得力が発生するから、信用できる。

 判断とは、主体的な決断。「みんなでしよう」ではなく、「私はこうします」という判断。正解じゃなくてもいい。正解を求めると発言できなくなる。ただ立場と判断をいつも入れるようにする。

 何かを学ぶためには信者にならなければならない。それを笑うと中途半端な奴にしかならない。何かを学ぶ時に、ひとまず全部写し、構造化する。それだけでもものすごく学べる。そういう師匠を選ぶ基準は直観と縁。

【第七フェーズ 世に出る】

 見識が出来たら移行。

 ブログなどでデビューするのも、本当はこの段階がいい。なぜなら見識がないうちに書いても反応が薄く、注目を浴びるネタを集めるばかりになってしまうから。そんなことで嫌になるなら最初はノートに専念した方がいい。

 ブログは表現の場。つまり見せる用。ノートを熟成させて、考えて、これが面白いと思ったものを加工して出す場がブログ。

 世に出るとは、現実世界や電脳世界と、自分の脳内世界を交流させること。この世界に対する責任感や関わろうとする意志をもつこと。