雲に鳴く。

趣味の小説書き、雲鳴遊乃実のブログです。個人サークル『鳴草庵』

どんな記事が読まれているのか

去年の初めに、google analyticsをこのブログに導入していたようです。 何故推定なのかというと、導入したことそのものを忘れたからです。 はてなブログにもアクセス解析機能はある。それにより人気の高い記事を調べることは可能だけど、具体的な人数までは…

【感想文】イリエの情景~被災地さんぽめぐり~ 3

第1巻を読んでから、イベントの度に続巻を購入し、積ん読しておいた。それをようやく読み終えたので、ここに報告する次第です。 シリーズを通して「被災地青春ロードムービー」と伺っており、第1巻はロードムービー、第2巻が被災地、そしてこの第3巻が青春に…

THE・雑記

最近は書評ばかり書いていたので、たまには別のことを書いてみたい。近況報告である。 詳細は省くが、先月の頭に引っ越しをした。 突然のことだったが、どうにか荷物をまとめて新居に移し、会社の方での手続きなどもこなしてバタバタしているうちに月が変わ…

【感想】新世界より(貴志祐介)

例によって積ん読消化。 「お、『新世界より』買ってたんだ~、読も~」 と上巻を手に取ったのが昨日の朝だった。 出かけている途中で中巻、下巻を購入し、読み終えたときには今日の日が暮れていた。 買った経緯については憶えていない。 何か長めの小説を読…

【感想】GOTH(乙一)

積ん読の消化をした。『GOTH』だ。 読み終えたこの本は夏頃にBOOKOFFで買ったものだけど、本当は高校生の頃にも一度手に取っていた。そのときは読み切れなかった。まだ読書に慣れていない頃でもあったし、読み進める体力がなかったんだと思う。 度々書いてい…

【感想】新説魔法少女

故あって10月の頭に引っ越しをした。 2週間ほどネット環境がない状況だったので、パソコンを起動させて掃除をしたり、ダウンロードしてそれっきりだったフリーゲームを漁ったりしていた。 そのうち、もっとも真面目に取り組んだのが、『新説魔法少女』だ…

【感想】盤上の敵(北村薫)

北村薫作品の中でもとりわけ異質な作品がある。 そんな噂を聞いたのはいくらか前のことだった。 日常の謎で、人間の悲しさや優しさを、読みやすく染みいるように語ってくれる。 僕が持っている北村作品のイメージはそのようなものだったので、異質というから…

【感想】オクトパストラベラー【裏ボス前・ネタバレあり】

まず8人の登場人物からひとり、「あなた」を選ぶ。8人のそれぞれに旅をする理由があり、目的地も異なっている。ストーリーは独立している。ひとりひとり攻略しても、気ままに旅をしても構わない。 現実的な話をすれば、戦闘を効率的に進めるためには8人全員…

【感想】労働者のための漫画の描き方教室

「漫画を描いて苦しい自分を変えるんだ」 釣られました。良いタイトルだし、良い表紙だなと思います。 忙殺されたり、なんとなく意欲がわかない毎日を送る中、人生を豊かにするための手段として身につけたい人は少なくない。 ましてSNSが発達した今、漫画…

第27回文学フリマ東京に参加しません。

2018年11月25日(日)に行われる第27回文学フリマ東京に参加しないという決定をした。 肩の荷が下りた心地がした。 最近、自分の作品を全て読み返した。 自分の作品を宣伝する上で、ジャンルわけでもしてみるか、と思い立って始めたものだ。 ブログにリンク…

【感想】狭い世界のアイデンティティー

何の気なしに見始めた『ハイスコアガール』のアニメから、作者の押切蓮介に興味を抱き、月刊モーニング・ツーで連載中の『狭い世界のアイデンティティー』を購入した。 本当は学生の頃に『ミスミソウ』を読んだので初遭遇ではないものの、僕の頭の中では何故…

【感想】カメラを止めるな!【ネタバレあり】

ネタバレされる前に観るべきだし、できれば何も情報を仕入れない方が良い。 とりあえず人に感想を聞かれたらそう答えようと決めている。 何しろ僕も最初にそうしていたからだ。 自分でやっていたのだからわかる。 人はこう言われると絶対粗探しを始める。 で…

長野旅行

二泊三日で長野を旅行してきたので、そのことをここに書き留める。 時折話していることだが、社会人になってから、毎年夏に県外に旅行をしている。 行くたびに記事にしていたのをいつからかやらなくなった。そしてまたやりたくなったから書いてみる。 長野を…

奇談収集家ミスター六軒について

21世紀が始まったばかりの頃、実家にパソコンがやって来た。どういう経緯だったのかはわからないが、これから必要になるものだからと、両親のどちらかが工面してくれたのだと思われる。僕は小学生の半ばで、将来のことなど微塵も考えられず、パソコンはゲー…

【感想文】イリエの情景~被災地さんぽめぐり~ 1

社会人になってから、年に一度は県外、なるべく関東を離れるようにしている。いつもひとりでの旅だ。 一年目は名古屋に行き、二年目は金沢に行き、三年目は京都に行った。一年目、二年目は写真を撮って日記記事を公開するなどマメなことをしたものだが、三年…

第7回テキレボ参加私的レポ

極めて個人的なレポートですし、まとまりもなくてすいませんが、テキレボに行ってきたことに関するあれやこれやを書いていきます。

【感想】貘の檻(道尾秀介)

大槇辰男は、離婚した妻の元に渡った息子と面会していた。その帰り、駅のホームで女性の自殺を目の当たりにする。彼女の名前は曾木美禰子。かつて、大槇の父が殺したと見做されていた女性だった。 大槇は曾木の死の真相を確かめるべく、水引きの伝説の残るか…

第7回Text-Revolutions(テキレボ)に参加いたします

こんにちは、雲鳴遊乃実です。 標記の通り、第7回テキレボに参加いたしますので、その告知です。 以下、詳細。 第7回Text-Revolutions詳細 日程:2018/07/16(月・祝) 11:00~16:00 ブース:G-18 場所:都立産業貿易センター 台東館4F全面 【アクセス】 …

自作品リンク集

一般小説 ブーン系小説

構造分析『火竜の僕は勇者の君と一度も言葉を交わさない』

先月カクヨムにて『火竜の僕は勇者の君と一度も言葉を交わさない』という短編作品を公開しました。 kakuyomu.jp 当作品は、6月10日現在、850PVをいただいており、自作品では一番人気のある作品となっています。 PV数の伸びは投稿の5日後くらいから顕…

とある友人についての思い出話

大したお話ではない。諸々の事情が考えられるので、ある程度ぼかしながら、話を進めていく。 僕が高校入試に臨んでいたとき、学区制というものが廃止になった。 もしかしたら通じない場合もあるかもしれないので、説明をしておくと、学区とは居住地によって…

【感想】日曜日たち(吉田修一)

絡み合うということはどこかですれ違っているという意味でもある。 たとえ一緒にいたとしても、人と人とは違うもので、気づかないふりをしているけれど、少しずつ距離が生まれたり、不意に縮まったりする。 仲の良かったはずの友人が疎遠になったり、疎遠だ…

【感想】WILL(本多孝好)

両親を亡くし、高校卒業とともに葬儀屋を継いだ森野のもとへ舞い込んでくる幽霊話。自分の葬儀に変な噂が立たないように、森野は事情を調べ始める。 前作に『MOMENT』という小説があり、こちらについては随分と前に読んだ。記憶は曖昧なのだが、そのときの主…

【感想】ノエル―a story of stories―(道尾秀介)

人間は誰もが悪意を持ちうる。 道尾秀介さんの作品を読むと、いつもこの感覚がまとわりつく。 物語だとわかっているのに、不穏さに胸が締め付けられる。環境や精神の変遷をうけて、人間らしさをつかさどっているはずの理性がくるりと真っ黒に染め上げられる…

【感想】くちびるに歌を(中田永一)

長崎県の五島列島、とある中学校の合唱部。顧問の先生が産休に入り、新しい先生が東京から訪れる。 NHKコンクールまでの日々を、三年生の子どもたちを主体として送る物語。 中田永一名義の小説は『百瀬、こっちを向いて』以来となります。 もちろん本名義の…

【感想】月と蟹(道尾秀介)

道尾秀介で思い出すのは、『向日葵の咲かない夏』だ。大学時代に読み、泥の中に沈み込んでいくような不穏さが癖になり、真実が明らかになったときは息苦しさを覚えた。後に弟に貸し与えて、あまり好意見が返ってこなかったことにモヤモヤもしたのだが、今と…

【感想】一人っ子同盟(重松清)

自分が初めて重松清作品に触れたのがいつだったか、実のところ曖昧だ。 大学一年生の暇な時期だったか、高校卒業間際の空白期間か、あるいはそれよりもずっと前のことか。 とはいえ最初に購入した作品は覚えている。地元の古本屋の、漫画コーナーにおいやら…

【感想】路(吉田修一)

一九九七年、台湾の台北―高雄間高速鉄道建設工事の入札にて、自らの技術力を過信していた日本は、より低い予算を呈示した欧州連合を相手に敗北を喫した。しかしその後、台湾からのまるで恩赦のような申し出により、敗者復活の可能性を得る。三年後の二〇〇〇…

他者と自己についての日記

ゴールデンウィークなので実家にいる。明朝には職場近くの住居へと帰る予定だ。 実家は小学校と目と鼻の先にある。本気を出せば通うのに1分も掛からない好立地だが、小学生の自分は嫌がっていた。他の子たちのような、小石を蹴ったり寄り道をしたりして小一…

【感想】笹の舟で海をわたる(角田光代)

新居を探す二人の女性。年齢はどちらも六十代。若干入り組んだ関係性を仄めかせながら、不動産会社の勧めた物件についてありかなしかを話している。 家族小説なんだろうと、冒頭部を眺め、気が向いたら買おうと思ったのが今年の初めの頃だった。創作のために…